まるで森!数万の植物で覆われた世界のグリーンな建築ビル5選

まるで森!数万の植物で覆われた世界のグリーンな建築ビル5選 サスティナブル生活
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ボスコ・バーティカル(Bosco Verticale)/イタリア

ボスコ・バーティカル(イタリア・ミラノ)
Photo:Zac Wolff from Unsplash

イタリア語で「垂直の森」とよばれるこの建物は、2014年に完成した住居ビル(マンション)。

高さ112mの26階建てと、高さ80mの18階建ての2棟が隣接する造りになっています。

このビルの壁面やバルコニーに生い茂っているのは、最大9mに育つ木が約800本、1~2mに成長する低木は約4,000本、さらにツタや多年生植物が1,500本以上。
全体で1,000種類近くの植物が植えられていて、緑の総面積は、サッカーフィールドと同規模。

ボスコ・バーティカル
Photo:Stefano Boeri Architetti

わずか1,500㎡(0.15ヘクタール)の土地が、このビルにより2ヘクタールの森と同じエコロジー効果を生み出していて、面積としては13倍を超える緑の効率性が実現されているんだそう。

自然と融合した建築として数々の賞も受賞し、いまではミラノの観光スポットにもなっているビル。いつか現地で見てみたい!

アクロス福岡/日本

アクロス福岡
Photo:まるごと福岡

私の地元、福岡市の都心のど真ん中にあるイベント施設のアクロス福岡。階段状の斜面には緑がたくさん茂っており、「ステップガーデン」と呼ばれ、誰でもここを散歩できます。

まるで自然の山のようなので、「アクロス山」とも地元の人からは呼ばれています。

建築当初は全体で76種、37,000本の植物が植えられました。
その後、補植したり、ここにやってくる野鳥や虫たちによって運ばれた植物の種により種類も増え、現在では120種類、50,000本程になっているんだそう。

アクロス福岡・ステップガーデン
Photo:まるごと福岡

九州大学の調査結果によると夜間のステップガーデンにおける冷気流の発生により、ステップガーデンと公園は周辺市街地に比べ低い温度であることが確認されています。

2015年にはCNN.comの「世界で最も美しい10のスカイガーデン」に選ばれた、福岡市民の自慢の建物です。

パークロイヤル・オン・ピカリング(Parkroyal on Pickering )/シンガポール

パークロイヤル・シンガポール
Photo:Nazarizal Mohammad from Unsplash

環境先進都市として名高いシンガポールを象徴するかのようなこちらのビルは、ダウンタウンにあるパークロイヤルのホテル。

7,500㎡の土地に立てられた、高さ89m、16階建てのこの建物には、367部屋のホテルルーム以外にも、上層階はオフィスフロアも併設しています。

シンガポール・パークロイヤル
Photo:By Shamasen from Wikipedia

数々の建築賞を受賞しているこのビルの特徴は、省エネな設計。
太陽光を有効に活用するだけでなく、空から降ってくる雨水を屋上で貯めて使うその仕組みが注目されています。

個人的には、有名なマリーナ・ベイ・サンズよりもこちらに泊まってみたいです。

  • 場所:シンガポール
  • 完成年:2013
  • 建築事務所Webサイト:WOHA

コ・ボーゲンⅡ・デュッセルドルフ(Kö-Bogen II Düsseldorf)/ドイツ

コ・ボーゲンⅡ・デュッセルドルフ
Photo: © ingenhoven architects / HGEsch Photography

2017年から着工し、今年2020年に完成したばかりのドイツのデュッセルドルフにあるこの商業施設ビルは、ヨーロッパで緑に囲まれた範囲がもっとも大きな建物として注目を浴びています。

コ・ボーゲンⅡ・デュッセルドルフ
Photo: © ingenhoven architects / HGEsch Photography

建物をぎっしりと覆う植物は、全長にすると8kmにも及ぶシデの生け垣。その数3万本以上。

使われているシデは、この地域にも自生し、冬の季節にも葉を茂らせる植物。

夏の日差しを遮るだけでなく、外の騒音を遮断したり、水分を保持して温度上昇を抑える効果も。

また都市部のヒートアイランド現象を緩和したり、二酸化炭素の濃度を下げることにも役立つことが期待されています。

  • 場所:ドイツ・デュッセルドルフ
  • 完成年:2020
  • 建築事務所Webサイト:ingenhoven architects

アーバン・フォレスト(URBAN FOREST)/オーストラリア

アーバンフォレスト・ブリスベン
Photo:Aria Property Group / Koichi Takada Architects / BINYAN STUDIOS

こちらはまだ存在していない建物で、オーストラリアのブリスベンに建設予定の「アーバン・フォレスト」と呼ばれる住居ビル。来年2021年着工、2024年完成予定です。

設計を担当するのは、オーストラリアのシドニーを拠点に活躍する日本人建築家の高田浩一さん

アーバンフォレスト・ブリスベン
Photo:Aria Property Group / Koichi Takada Architects / BINYAN STUDIOS

30階建て、392部屋を予定しているこの住居ビルには、この土地に自生する250種類以上の植物が植えられる予定。木が1,000本以上、その他の植物は2万以上。
その名の通り建物全体が森となります。

また建物に使われるコンクリートは、従来のコンクリートに比べて製造で排出される二酸化炭素量が40%少ないものを使用。

建物全体のデザインも、キノコや木の幹を思わせるようなオーガニックさがあり、どこかレトロフューチャーで魅力的。

出来たら見にいきたい建物のひとつになりそうで楽しみです。

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