ブランドって?ブランディングって?【ゼロからのマーケティング思考】

マーケティング
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このシリーズ記事は、ゼロからマーケティングについて知りたいという友人や、自分でビジネスをしている友人達に役立ててもらおうと、私が学んできた知識を整理しまとめた記事です。これをたまたま見つけた皆さんのお役にも立つといいなと思います。

今回は、なんとなくふわっとしていて分かりにくい「ブランディング」について。

ブランドとは何か

ブランド

ブランドという言葉から、いったいどんなものを連想しますか。例えば、グッチやプラダなどのファッション・ブランドなどはその一つですね。
では、グッチやプラダなどの「何」を指して、ブランドと呼ぶのでしょうか。
実はこのブランドというもの自体がとても曖昧で抽象的なもので、その定義がマーケティング業界でもさまざまな表現で意味づけがされています。

たとえば、アメリカ・マーケティング協会は以下のように定義しています。

ブランドとは、ある売り手の商品やサービスを識別するための、他の売り手のものとは性質が異なる名称、名称、言葉、デザイン、シンボル、またはその他の特徴。

しかし、多くの北米のマーケター達は、ブランドはそれ以上のものと考えていて、例えば、アメリカ人有名マーケターのひとりであるハイディ・コーヘンさんは、

ブランドとは、カスタマーとの感情的な繋がりを創造するためのマーケティング・メッセージ

と定義しています。

またイギリスのマーケティングビジネス情報サイトでは、

ブランドとは、あるビジネスが提供する商品やサービスのイメージやパーソナリティで、実体のない資産

と表現しています。

私の場合、ブランドを、人間の個性のようなものと捉えています。
ある人の名前、顔、風貌、着ている服、話す言葉、性格、持っている知恵やスキル、築き上げる人間関係など、その人の持つ個性そのものがブランドとなるように、その商品やサービスが持つ個性をブランドと定義できるんではないかなと思います。

例えば、人気タレントの渡辺直美さんが持つ、面白さ・明るさ・大柄な体格・カラフルなファッション・派手なメイク、身振りやしぐさなどなど、彼女ならではの個性。それらすべてを総合したものが、渡辺直美さんというブランドとして、様々な企業や人々をひきつける理由になっていると思います。

ブランド・イクイティを築く

スターバックス店内

こうした、ふわっと抽象的で実体のないブランド。そうした消費者商品やサービスに対して持つ一定のイメージ自体のことを、ブランド・イクイティと呼びます。イクイティ(equity)とは、直訳すると「財産の純資産額」という意味ですが、要するに「資産」のこと。
消費者が作り上げたイメージ自体を、そのブランドのもつ資産と捉え、消費者の頭の中に作り上げる特定のイメージが資産であり、それを作り上げることがブランディングであると言われています。

例えば、緑色と黒と木目調、王冠をかぶる女性のマーク、オシャレな雰囲気、フラペチーノ、グランデという名前、アメリカ西海岸、都会の街かどの至る場所にある、といったイメージ。
これらすべてが、「スターバックス」が築き上げたブランド・イクイティになります。

ブランディングはビジネスの重要なテーマ

こうしたブランド・イクイティを築くことをブランディングと呼びます。ブランド・イクイティを築くことは、多くの競合の中から消費者が、そのブランドを選ぶ理由を与えることにもなります。

例えば、「フラペチーノが飲みたい!」と思った時に一番に頭に浮かぶのはタリーズコーヒーではなく、スターバックスとなるように、
または、「おしゃれな場所で落ち着いて美味しいコーヒーが飲みたい」と思った時に思い浮かぶのは、マクドナルドではなく、スターバックスとなるように、
ブランド・イクイティがあるからこそ、消費者の頭の中にそのブランドを自然と選ぶようになります。

そうしたブランド・イクイティは、単純にロゴや名前という見た目の部分的なものだけでなく、消費者がその商品やサービスを利用して得た経験も含めて作られていきます。
そのため、消費者に独自のイメージを与え続けるブランディングは、マーケティングというよりビジネス全体において常に頭に置いておくべき重要なテーマになります。

ブランド・アウェアネス

コカ・コーラブランド

他にもブランドに関する言葉で、ブランド・アウェアネス、日本語ではブランド認知という言葉もよく聞く言葉だと思います。
これは、マーケティングのフェーズで一番最初のステージに行われるもので、ブランドの存在を消費者に認知してもらう作業です。
この部分だけをマーケティングと考えている人も多いですが、あくまでマーケティングの一部分。
大きな企業が行うCMがもっとも有名な手法ですが、小さなビジネスならば、SNS上で友人達に知らせることや近隣に配るチラシなども、ブランド認知の方法と言えます。
このブランド認知は忘れられないように常に行わねばならないもので、しかもコスト(お金や時間)がかかる部分です。
そのためお金や時間を無駄にしないように、「どこに」「誰に対して」「何を使って」ブランド認知をするか、常に試行錯誤しなければなりません。

ブランドに重要なのは実際の商品やサービス

アップルブランド

最後に、ブランドにとってもっとも重要なことを繰り返しておきたいと思います。
ブランドは上に書いたように「消費者が得た経験」も含んでのブランドです。どんなにお金をかけて認知をしても、おしゃれな名前やロゴや色にしても、肝心の中身で消費者がよい経験をしないと、ブランドが損なわれてしまいます。
例えば、Appleが今のように、シンプルでおしゃれで使いやすいデザインの電化製品としてのブランド・イクイティを獲得したのは、大々的に行ったおしゃれなCM広告や、スティーブ・ジョブスがプレゼンしたからだけではありません。実際に製品を使った経験を持つファンが増えたからこそです。
まずは提供する商品やサービスの質を上げ、それを体験してもらい、ファンを増やすこと。それが、何よりのブランディングになります。

マーケティング思考ワーク『自分のブランドをどう築く?』

このように、ブランディングは、消費者の頭の中をコントロールする作業であり、簡単なことではありません。それでも、常に自分のビジネスのブランド・イクイティを築くということを意識しておくことはとても重要だと思います。
ぜひこの記事の最後の締めくくりの作業として、自分のビジネスについて以下の点を考えてみてくださいね。

今すでにあるブランド・イクイティと言えるコトは?

これから築き上げたいブランド・イクイティは?

あなたの商品やサービスからカスタマーが得る経験でイクイティと呼べるものは?

ブランド認知に使える予算は?

ブランド認知させたい人たちはどんな人達?

ブランド認知に使える手段は何がある?

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